不整脈は、脈拍が遅くなったり(徐脈)、速くなったり(頻脈)、リズムが定まらない(期外収縮)症状の総称で、心臓の異常が原因で現れる症状です。
不整脈は高血圧症などと同様、症状を自覚しにくいため、日常生活の中で気付くことは滅多にありません。ところが、無自覚のまま突然重い病気につながることも稀にあるため、注意が必要な症状でもあります。
まずは自分の脈拍を測ってみましょう
安静時に親指のつけ根に位置する橈骨(とうこつ)動脈に人差し指・中指・薬指を当てて、脈拍数を1分間測定してみましょう。
<正常な脈拍数>
成人:1分間に60〜100回程度
高齢者:1分間に60〜80回程度
不整脈の原因は加齢や生活習慣がほとんどです
不整脈は年齢や生活習慣が大きく関わっています。そのため、不整脈は年齢を重ねていくと誰にでも起こりえる症状で、そのほとんどは様子見でも問題がない不整脈です。
そのため、脈拍が正常値内でなかった方全員治療が必要になるわけではありません。
しかし、日常生活の中で気になる症状がある場合は注意が必要です。
日常生活の中で注意したい症状
- 徐脈(脈拍がゆっくりの不整脈)
- めまいがする
- ふらっとする
- 息切れしやすい
- 頻脈(脈拍が速い不整脈)
- 動悸・吐き気がある
- 冷や汗が出る
- 急に意識がなくなることがある
- 期外収縮(脈拍のリズムが不規則な不整脈)
- 胸に不快感がある
- 胸に痛みがある
ご高齢の方は心房細動に注意です
不整脈の原因が心房細動である場合は、脳梗塞につながる可能性があります。
心房細動は心臓の一部である心房の異常で、心房内に血栓ができやすくなる症状です。
心房細動が脳に影響することがあります
心房内にできた血栓が全身に運ばれると血栓症が起きやすくなりますが、脳の血管で起きた血栓症が脳梗塞です。小渕恵三元首相やプロ野球 元巨人軍の長嶋茂雄監督、元サッカー日本代表のオシム監督などは記憶に新しいのではないでしょうか。
検査で異常が出たら、まずは受診しましょう。それが治療への第一歩です
不整脈は不快感が出にくい症状のため、仮に健康診断などで異常が出た場合でも、日常生活の中で忘れてしまったり、後回しにしてしまうことが多いです。また、中には重い病気と診断されることが怖くて、あえて受診をされないという方もいるかもしれません。
しかし、40代でも突然一刻を争う症状が起きてしまう方もいます。
それらは、予め不整脈であることを意識して日常生活を送っていれば防げるものです。
怖い病気でも症状を理解して付き合い方を見つけることで、健康な方と変わらない生活を送ることもできます。そのお手伝いをするのが私の役目と考えております。健康診断の結果が悪かった方、気になる症状があるといった方はお気軽にご相談ください。